パン屋さん店じまい ―商店街に残る手書きのありがとう―

地下鉄四ツ橋線の北加賀屋駅で降りて南東に歩くと、アーケードの入口が見えてきました。また、加賀屋商店街に舞い戻って来たのです。昭和の臭いが漂うここが好きなんです。

加賀屋商店街アーケード入口

しかし、徘徊していると、楽しいことばかりではありません。時には悲しいことにも出くわします。

パン屋さん

時々サンドイッチを買いに来ることがあるパン屋さんの前に来ると、シャッターが閉まっていました。今まで、お昼時に閉まっていたことはなかったので不思議に思って近づくと、黄色い張り紙がありました。

そこには「閉店のお知らせ」の文字が、店主の自筆で書かれていました。「閉」の字がとてつもなく大きいのは、バランスを考える余裕などなかったからでしょう。その後に続く文字を少しずつ小さくしていって、うまく紙の幅に合わせた格好です。

パン屋さんのシャッターの張り紙

永年続けてきたパン屋を閉める寂しさ辛さが滲み出ているようで、胸が詰まりました。しかし、とっさの判断とはいえ、文字のバランスをとって、うまくまとめられたということは、平常心が戻ってきたとも想像できるので、ただただ、また「おいしい」パン屋さんが加賀屋商店街に早く戻ってくることに尽きます。

この張り紙に記された感謝の書き込み。気持ちが通じ合う素敵な街です!

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